Reason Studios EUROPAレビュー
Reason Studios(旧Propellerhead)のEUROPAのレビューです。
Reason内のデバイスとしてだけでなく、VST、AU版もあります。
概要
オシレーター、マスターフィルター、エンベロープ、LFOなどのシンセの基本的な部分は押さえつつ、オシレーターごとに設定できるスペクトラルフィルター、ユニゾン、6種類のエフェクト、自由に接続できるモジュレーションなど、現代的な音作りに対応できるソフトシンセです。
UIを見てもすぐにわかるように、オシレーターの波形やフィルターにモジュレーションがいつでもダイレクトにルーティングされており、派手な変化をする音を簡単に作れます。
特徴
最も特徴的だと思ったのはUIの中央左にある「USER WAVE」の部分ですね。ここで自分で用意した音声ファイルを読み込むことができ、読み込んだ音声波形はオシレーター選択プルダウンに表示されるようになります。あまり詳しい仕様はわからないのですが、通常のグラニュラーシンセシスと比べ、使いやすい音色になる気がします。クラップなどの音程を感じにくい波形でも使いやすいPluck系の音色を作ることができました。
また、エンベロープの形を波形として選択してモーフィングできるなど、他のシンセであまり見ないようなユニークな機能があります。
4つのエンベロープが最高に使いやすくていいですね(アンプエンベロープは独立しているので4つをフルに音作りに使えます)。僕はループエンベロープで作る音色がとても好きなのですが、エンベロープのプリセットが豊富なので、いろいろ試してみたくなります。
アンプエンベロープはADSRのスライダーを動かす方式ですが、4つのエンベロープは画面を触ってエンベロープを設定します。そのため初心者の方でも理解しやすいと思われます。
その他面白いと思った仕様は、ユニゾンが各オシレーターごとに設定できる点ですね。大抵のソフトシンセではまとまってユニゾンがかかるので、広がりのある音色を作ると輪郭がぼやけることがあります。しかし、EUROPAの場合だとユニゾンをかけない「芯」となる波形を作っておけば音の輪郭がぼやけずに済みます。
ThorなどのReason付属のシンセと上手く住み分けをした、ありそうでなかったシンセサイザーに仕上がっていると思いました。音作りがとてもしやすいので、音作りに挑戦したいという方にもおすすめできます。