OzaShin’s diary

活動報告、機材レビュー等

知らないと絶対損をする、Cubaseのロジカルエディター

ロジカルエディター、活用していますか?学生に聞くと大体「触ってみたけどよく分かりませんでした」と返ってきます。自分も「値1」や「実行対象」などの難解な単語が並んでいて、とっつきにくい印象を受けた覚えがあります。ですが、一度使い方を覚えると、制作でとても便利なツールになってくれます。今回はロジカルエディターの使い方と、上手な活用方法について書いていこうと思います。

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 まずロジカルエディターとは何かについて。ロジカルエディターを使うと、特定の音符、コントロール・チェンジなどに特定の操作を行うことができます……と言っても伝わりにくいと思うので、どのようなことができるのかいくつかの実例を書こうと思います。

・16分音符よりも短いミスタッチした音符のみを削除

・ある高さ以上の音符のみを半音上げる

・裏拍の部分のみベロシティを半分にする

・コードトラックで指定した現在のコードに合う音のみを選択する

 

などです。他にも、特定の条件に合う音符やパラメーターを対象に、様々な編集操作を行えます。

 

ロジカルエディターには「フィルター対象」と「実行対象」の2つのセクションがあります。「フィルター対象」は「何を編集するのか」で、「実行対象」は「どう編集するのか」です。

では、実際に使ってみましょう。今回は、「C3以上の音符を1オクターブ上に上げる」という操作をやってみます。まずは適当なMIDIデータを制作してください(もちろんC3以上の部分と以下の部分があるデータにしてください)。

 

まずフィルター対象を設定します。今回は音符に編集操作を行うので、「タイプ」を「等しい」「ノート」と設定します。これで、「音符を対象に」という意味です。今回は「C3以上の音符」が対象なので、更に条件を追加します。

+ボタンを押して条件を追加し、「値1」を選択してください。「値◯」は、最初に選んだ「タイプ」によって意味が変化します。この辺が少し分かりにくい部分です。はじめに「タイプ」を「ノート」に設定した場合は、「値1」は「ピッチ」として機能します。ちなみに、「値2」は「ベロシティ」、「値3」は「オフベロシティ」として機能します。

今回は「C3以上」という条件を追加したいので、「値1(ピッチ)」を「より大きい/等しい(少し分かりにくい表現ですが「以上」の意味です、おそらく英語に「以上」という言葉がないためだと思われます)」、「C3」と設定します。

画面の状態にしてくれればOKです。繰り返しになりますが、「C3以上の音符」という条件を指定したい場合、「タイプ」「等しい」「ノート」、「値1」「より大きい/等しい」「C3」という設定になります。

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次に「どう編集するのか」を決めます。今回は「1オクターブ上に上げる」という操作になるので、まず、画面下部の「機能」の部分を「変換」に設定します。たとえば、「C3以上の音符を削除する」という操作の場合は「削除」、「C3以上の音符をコピー」の場合は「コピー」です。高さ、長さ、タイミングなどを変更する場合は全て「変換」になり、何をするのかを指定する必要があります。では、「1オクターブ上に上げる」という操作を入力しましょう。

「1オクターブ上に」というのは、ピッチに関することなので、先ほどと同じく「値1」を選択します。「操作」の部分は「足す」、「パラメーター1」を「12」にすればOKです(1オクターブは12音なので)。

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上の画像の状態になっていることを確認して、右下の「適用」を押しましょう。

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見事にC3以上の音符を1オクターブ上に上げることができました。はじめの設定は面倒ですが、一度設定してしまえばあとはプリセットとして保存すればいつでも呼び出して使えます。また、ロジカルエディターのプリセットはキーボードショートカットに割り当てできるので、特定のキー操作で複雑な編集を行うことができます。