理論や仕組み抜きでコンプレッサーの使い方を覚えたい方
「とりあえず難しいことはいいから、コンプレッサーの使い方を教えてほしい」というせっかちさんのための記事を書いてみます。どこかで仕組みなどは調べる必要が出てくると思いますが、触り方だけでも覚えておくと非常に便利かと思います。
下準備
まずはコンプをかける前に以下のパラメーターに設定します。意外とこれが大事で、いきなりコンプがかかっている状態から始めず、徐々に効果を感じられるように設定していきます。
①スレッショルド(Threshold)を最大(ほとんどの場合0dB)にする
②レシオ(Ratio)を2~4にする
③アタックタイム(Attack)を最小にする
④リリースタイム(Release)を最小にする
(⑤Cubase付属のコンプの場合は、ホールドHoldも最小にする)
⑥ゲイン(Gain)・メイクアップ(Makeup)などを0にする(バイパス前後の音量が変わらなければOKです)
⑦オートメイクアップ(Auto Makeup)などの機能が付いている場合は、無効にしておきます。
以上の設定にしておけば、コンプレッサーがかかっていない状態になります。
コンプの音を聴く
下準備が完了したら、ターゲットとなる音(キックやスネアなどの打撃音がいいです)を流しながら、スレッショルドのツマミを下げていってください。あるポイントから、ゲインリダクション(Gain Reduction)というゲージが反応し始め、音が奥に押し込まれていくようになっていくと思います。このゲージが-12dBのあたりまで下がるポイントまで、スレッショルドを下げてみましょう。
強めにコンプがかかったことを確認したら、少しずつ(とても重要)アタックのツマミを上げていってください。音の立ち上がりの部分が少しずつ飛び出てくるのが分かるかと思います。ある程度コンプがかかった状態でアタックを上げていくと、このように立ち上がりを強調できます。
次にリリースのツマミを少しずつ上げていってください。すると今度は音の余韻の部分が徐々に押し込まれて、大人しい感じのサウンドになっていくと思います。リリースを上げていくと、余韻が抑えられる効果があります。
アタックとリリースの設定によって、音の立ち上がりと余韻の強調具合を調整できます。
元の音量に戻す
コンプが強くかかった状態は音が小さくなっているので、ゲインやメイクアップのツマミを上げて音量を元の大きさに戻します。バイパスを上手く使って、耳で調整してください。コンプレッサーの使い方は以上です。
①パラメーターをフラットな状態にする
②深めにかける
③アタックとリリースを調整する
④元の大きさに戻す
これが基本的な使い方になります。慣れてくると圧縮の強さ(レシオ)を調整したり、スレッショルドを緩めたりなど、発展的な操作もできるようになります。まずはこのような方法でコンプレッサーを使ってみてください。