OzaShin’s diary

活動報告、機材レビュー等

iZotope VocalSynth レビュー

今回はiZotope VocalSynthのレビューを書きたいと思います。

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www.izotope.com

 iZotope VocalSynthはボコーダー・ハーモナイザー・トークボックスなどを統合したボーカルエフェクターです。MIDIによってポリで出力できるハーモナイザーは個人的にとても重要なエフェクトの一つで、安定性が高いものをずっと求めていました。似たようなことができるエフェクトにAnteres Harmony Engine Evo(http://www.antarestech.com/products/detail.php?product=Harmony_Engine_Evo_4)などがありますが、どれも自分の環境で安定して動作せず。あちらにしかできないことも、こちらにしかできないこともあるので、比較してみるとよいでしょう。

自分の使用法としては、メインパート1本しかないボーカルのハモリパートを作ったり、メインパートを複製し3~4和音のコーラスに加工してボーカルを分厚くするなどのテクニックがあります。

 

VocalSynthはpolyvox、vocorder、compuvox、talkboxの4つの合成方式を、画面中央のミキサー部分でミックスできます。私が最も使っているのはpolyvoxです。フォルマントの高さを変えたり、ピッチの正確さを変えたりできるので、オケとの馴染み具合はかなり調整しやすいと思います。

使わないエフェクトはOFFにすることで負荷を軽減できます。残念ながらエフェクトごとにパンを振ったりはできないようです(Harmony Engineでは各声部ごとのパン設定が可能です)。

VocalSynthにはスケールに合わせた自動ハーモナイズ機能が付いていますが、私は全く使わず、全てMIDIでハーモナイズするやり方を使っています。MIDIが入力されているときのみ音声を出力させることができるので、オーディオトラックを切り刻んだりせずに作業が進められるのが嬉しいです。

 

画面下部のエフェクトは複雑そうに見えますが、各部の操作できるパラメータは少なめなので、良く言えばシンプル、悪く言えば痒い部分に手が届かないことがあります。ハーモナイズした音声は左右に広げて使うことが多いので、TransformのWidthの部分や、Delayの部分はよく使用しますね。DelayはTimeを短くしショートディレイのようにしてコーラスっぽくするとかなり綺麗な音になります。

こういったエフェクトは別にMIDIトラックを立ち上げるなどのセッティングが面倒なので、なるべく作業量を減らすために、スタートポイントのプリセットは必ず作っておいた方がいいと思います。Cubaseの場合は起動時のプリセットも設定できるので、自分がよく使う設定の状態で起動するようにしておきましょう。

 

ハーモナイザーやボコーダーは強力なエフェクトなので、ボーカル曲を作っている方は必ず1つは持っておくことをお勧めします。VocalSynthはとても安定して動作しますし、素早く音作りが可能なので、とても良いエフェクトだと思います。