Metric Halo Character レビュー
今回はMetric HaloのCharacterをレビューしたいと思います。
Metric Halo - Character | Media Integration, Inc.
SEKAI NO HIZUMIが22種類
Metric Halo Characterは、プリアンプやEQ、卓の回路など、あらゆる歪みを22種類集めたプラグインです。見た目はフリープラグインのようで頼りない感じですが、これだけ歪みが選べるとなるとイメージ通りのものが見つかりやすいのではないでしょうか。以下が歪みの全種類になります。
いくつかのプリセットを試してみると、どれも個性的で、違いがはっきりと分かります。ただし、かなりサウンドソースを選ぶプラグインです。キック、スネア、タムなどの瞬間的な打楽器系はかなりいい感じにかかってくれるのですが、ベースなどの持続音系は歪み始めるポイントがシビアで、上手く音作りするのは難しいです。ベースなどに使用する場合はダイナミクス幅を抑えてから使用すると上手くいくのかもしれません。
お気に入りの歪み(サウンドソース:キック)
キックに使用してみて、好きな音だった歪みをまとめました。
- FET……輪郭がつぶれず、「ズボッ」という勢いのある音で全体が持ち上がってくる感じの歪み。
- Boutique Tube……FETに非常に似ている。こちらのほうが若干硬い印象か。
- California Tube Mic……硬質な感じの歪み。強めにかけても潰れない。スネアにも合いそう。
- California Tube Line……FETを若干地味にした感じの歪み。
- Modern Tube Mic LG……アタックが太くなり独特のスナップが付く。歪みというよりもコンプのような感じ。
- Modern Tube Mic HG……Modern Tube Mic LGの有効な範囲を広げて派手にしたような印象。
- American Solid State……一番好き。バランスが良く、気持ちいい部分がとても前に出てくる音。
潰れるタイプの歪みと足されていくタイプの歪みがある
音が引っ込んでいく潰れるタイプと、アタックなどが前に出る足されるタイプの歪みとがあります。上で挙がっているのはほとんど前に出るタイプです。潰れるタイプの歪みは、アタックを抑えたり、滲ませる(ノイズっぽくして角を取る)ことに向いていると思います。目的がはっきりとしていて、目指すサウンドが決まっている場合であれば、かなり使いやすいプラグインと言えるでしょう。