楽曲制作のご依頼、活動実績など
商業・同人問わず、音楽制作に関するご依頼をお引き受けしております。制作だけでなく、編曲やミキシングなどのサポートもお引き受けしております。
(記載している内容は予告なく変更することがあります。)
制作環境、制作実績、楽曲サンプル
演奏可能楽器:キーボード、ベース、ギター
得意なジャンル:ポップス、ロック、トランス、EDM
使用DAW・編集ソフト:Cubase10.5、WaveLab8 など
使用プラグイン:KOMPLETE、Omnisphere2、StylusRMX、SuperiorDrummer3、HALion6、Nexus2、Waves Mercury、その他KONTAKT音源 など
シンセサイザー:YAMAHA MONTAGE6、Roland JUPITER-80、KORG Kronos LS、Dave Smith Instruments Prophet-12、Moog Subsequent 37、Roland Fantom-G7、Clavia Nord Lead A1、Arturia Minibrute
商業作品制作実績(順不同、敬称略)
TVアニメ「うちのメイドがウザすぎる!」OP「ウザウザ☆わおーっす!」(作編曲)
XFLAG モンスターストライク 「ノストラダムス獣神化PV」ダンスパート(作編曲)
AKB48ビートカーニバル楽曲「近いのに離れてる」(作編曲)
ムービック ツキウタ。シリーズ「Me-lo-dy」「Acacia」「イノセンシア」「ラジカル・ラブカル」「それはきっと恋」「ショコラの魔法」「My Sweet Beloved」「Pink Opal」「不思議に感じても季節は」「Tomorrow's Color」「2月のメリーゴーランド」(全曲:作詞・作編曲、Recディレクション)
TVアニメ「ツキウタ。 THE ANIMATION」 3話ED「amor」(作詞・作編曲)
ムービック ツキステ。シリーズ「月と、刹那のきらめきを」(作詞・作編曲)
コナミ pop'n music 収録曲「雨と鳥籠」「Engagement」(作詞・作編曲)
タイトー グルーヴコースター 収録曲「シルバーバレット」(作詞・作編曲)
柴咲コウ 28thシングル c/w曲「涙は宇宙に降る」(作詞・作編曲)
フロンティアワークス ヒロイックソングス! 主題歌「ReadyGo」(作詞・作編曲)
スクウェア・エニックス ガンスリンガーストラトス BGM「outsider」(作詞・作編曲、Recディレクション)
ZOLA 1stシングル曲「トウキョウジェネレーション」(作曲)
DMM Games「ガールズシンフォニー Ec」PV曲(作編曲)
SEGA うた組み575「あじさいのはながさくころ」(作詞・作編曲)
各種VOCALOIDライブラリデモ音源制作
avex HPQ 「ReFraction -BEST OF Peperon P-」(全曲:作詞・作編曲)
等
商業作品での制作音源やサンプル音源は、以下の動画やYouTubeリスト、下記のウェブサイトをご覧ください。
作編曲等を担当しているボーカル曲リスト
編曲・ボーカルMIX担当曲「共鳴」(IKenさん)
打ち込み系音楽参考「illogical upload」
オーケストラ系インスト作編曲「ガールズシンフォニーEc(PV曲)」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm32538674
M-tone - Music, Arrangement, and More...
現在募集している内容
ボーカル楽曲制作 納期:2週間~1ヶ月程度
その他の楽曲・効果音制作等 納期:2週間~3週間程度
編曲・アレンジ 納期:1週間~1ヶ月程度
ミキシング 納期:~1週間程度
簡易マスタリング 納期:1~2日程度
お問い合わせ先
料金のお見積や納期、制作に関してのご質問は、以下のフォームよりお問い合わせください。いただきました内容には24時間以内にご返信いたします。まずはお気軽にお問い合わせください!
検索ワード:作曲依頼 編曲依頼 アレンジ依頼 音楽制作依頼 ボカロ依頼
xln Audio XOレビュー
xln Audioのドラムサンプラー(ドラム音源)「XO」のレビューです。
ありそうでなかった画期的なUIと操作性
まず目を引くのがその独特なUIです。何を行うソフト音源なのか、知らない方には想像も付きません。
この細かな星の粒のような点は、一つひとつがドラムサンプルになっています。自分で購入したサンプルをインポートして表示させることも可能です(上図は私の持っているサンプルを読み込んだ状態です)。
左の方の赤い部分はキック系、中央の青い部分はスネア系のサウンドといった具合に、近くの位置に同じような系統のサンプルが集まっています。これは、ファイル名やタグ付けなどで分類しているのではなく、サウンドの長さやスペクトラムを分析し自動配置されます。そのため、名前付けのルールが異なる違うメーカーのサンプルであっても、似たような音は近くに配置されます。
同じような音が近くに並んでいるため、これほどまで音選びに集中できるドラムサンプラーはなかったと思います。適当にマウスを動かして、イメージが近い音を耳で探していけばいいのです。いい感じの音を見つけたら、その周辺の音もチェックして、よりイメージに近い音を探す、という操作でサンプルを読み込んでいきます。私のように、シンセドラムの音選びが苦手で、いつも同じキットを使ってしまうといった方には強くおすすめできます。
もちろん基本的なエディットは可能
一般的なドラムサンプラーのように、サンプルのピッチ、ボリュームエンベロープ、フィルター、エフェクトなどが内蔵されています。もちろん、パラアウトも可能です。個人的にあまり使いませんが、パターンシーケンサーもあります。
選んだサンプル、エフェクトの状態などはすべてプリセットとして保存することができます。驚くべきなのは、プリセット画面右下に「Similar Sample」というエリアがあり、似た音が選ばれたプリセットを自動で作ってくれる点です。この機能を使用すれば、いつも同じプリセットを選んでしまう方も、少し違う音で曲作りをスタートさせることができます。
惜しむらくは、サンプルが8つしか読み込めない点、サンプルの鳴る鍵盤のマッピングが変更できない点でしょうか。
Batteryのように30個、40個も読み込めなくても大丈夫ですが、最低16サンプルくらいは読み込めた方が良かったですね。8サンプルだと、一発サンプルネタなどを加える場合、心もとない気がします。
サンプルはC1~G1までの鍵盤にマッピングされますが、私のようにGM配列に慣れきってしまった人間からすると、E1やF1の部分にハットがいるというのは、ちょっと気持ち悪いです。鍵盤を使って手ドラムで入力する際など、自分の慣れた位置で行いたいというユーザーも多い気がします。xln Audioは、Addictive Drumsなどで様々なマッピングに対応させていたはずなので、近いうちに対応してくれそうな気がしています。
Wavesおすすめプラグインのレビュー(2020年1月版)
随時追加していきます。購入の際の参考にしていただけるとうれしいです。
プラグインが多いので、ただいまAnalyzer~Dynamicsグループの途中まで書いています。
PAZ Analyzer
Waves定番のアナライザー。Silver以上のバンドルに付属しているので持っている人は多いはず。
見た目は古臭くなってしまったが情報は必要十分といった感じ。スペクトラムアナライザーが大雑把なのも逆にいい気がする。使いやすいメーター設定にして常時表示させるといい感じ。
CLA Bass
Chris Lord-Algeデザインのベース用プラグイン。自由度はJJPに比べると下がるが、コーラスがかかったベースや歪んで潰れたベースなど、少し変わり種な音作りができる。
もちろん一般的な音作りも可能。DISTORTION部分で薄くサチュレーションさせる音が気持ちいい。
JJP Bass
Jack Joseph Puigデザインのベース用プラグイン。CLAよりも自由度が高いが、こちらのほうが扱いが難しい。上手く扱わないとギラついたサウンドになってしまう。
まずは各スライダーの効くポイントを一つひとつ確認すること。各ポイントを整理しながら音作りができるので、慣れればかなり時間短縮が期待できる。モジュレーション系のエフェクトは地味な感じので、目新しいサウンドを作ることはできない。
Renaissance Bass(R-Bass)
キックなどの超低域を増やすことができる。スライダーが少ないのでお手軽な感じがするが、意外と調整はシビア。
このプラグインが上手くいかなかったら兄弟プラグインのMaxxBassや、別の音をレイヤーすることも視野に入れたほうがいい。
Scheps Omni Channel
ユニークな機能を多く含んだ時短チャンネルストリップ。
自由に入れ替えられるエフェクトチェーンはもちろん、3タイプから選べるサチュレーション、広い帯域をカバーした2つのディエッサー、かなり細いQ幅にも対応したEQ、パラレルコンプレッションに対応したコンプレッサーなど、あらゆる場面で使用できる。全部のチャンネルに挿しても差し支えない。
これだけでも十分なのに、なんと手持ちのWavesプラグインをエフェクトチェーン内に組み込むことが可能。見た目もカッコいいし100点満点。長く付き合えるプラグイン。
Manny Marroquin Delay
高機能なディレイプラグイン。
通常のディレイとしての機能はもちろん、ディレイ音にリバーブやコーラス、ディストーションなどをかけることができる。フィルターと組み合わせればローファイなディレイも可能。特にリバーブと組み合わせたサウンドはボーカルの空間系に最適。
煩雑になりがちな空間系プラグインだが、ここまでシンプルな構成にされると躊躇なく使えるので気に入っている。
Berzerk Distortion
バカみたいなサウンドにできるディストーション。普通のキックを読み込んだだけなのに「いやそうはならんやろ!」ってサウンドになる。しかし、MIX量の調整などもできるので薄く歪ませたようなサウンドもいける。
意外にもWavesにはシンセやドラムループにかけて積極的に使用できるクリエイティブな歪みエフェクトがなかったので、重宝するかも。プリセットが豊富なので、あまり自分で音作りすることはない気がする。
Maserati DRM
Tony Maseratiデザインのドラム用プラグイン。公式サイトにも書いてあるように、ドラムミックスのスタートポイントとして最適。一時期これだけでドラムを作っていた時期もあった気がする。
各ツマミの効き方のわかりやすさ、プリセットの完成度が素晴らしく、使っていて楽しいプラグイン。スネアに敢えてキックのプリセットを使ってみたりするのも面白い。
API-2500
Tone部分で幅広い音質に調整できるコンプ。特にドラムでLOUDを選択したときのパツパツしたパンチ感はトランジェントをいじったときのような「大袈裟感」すらあり、非常に特徴的なサウンド。
ドラムバスやベースに使うことが多いかな。コンプというよりも歪みの一種のようなイメージで使ったほうがいいかも。
CLA-76
スタジオでよく見かけるご存知1176のWaves版。Universal Audio 1176には様々なモデリングプラグインがあるが、Waves版の特徴は現行のBlack Faceモデルと旧型のBlue Faceモデルのキャラクターを切り替えられる点。
Blue Faceモデルはかなり派手な音で、ぜひ同じ設定で切り替えて聴いてみてほしい。実機の1176自体が万能なこともあり、あらゆる場面で使用できるコンプ。
PuigChild 670Compressor
Fairchild670のモデリング。あまり使ってなかったのだが、Waves公式の動画で飛澤正人さんがドラムの音作りで使いまくってるのを見て自分も使ってみたらすごく良かった。
Time Constantはアタックとリリースの組み合わせが6パターンから選べる。少しわかりにくいのでプリセットを活用するといい。極端な値にしても破綻しにくいので、いろいろな音作りを試したくなるコンプ。
Renaissance Compressor
みんな大好きR-Comp。数字どおりの音が出てくる、でも冷たくない、モデリングでないデジタルコンプの基準としたいサウンド。
コンプレッサーの使い方を覚えたい人は絶対に触っておいたほうがいい。メーターも見やすいしパラメーターによる変化が分かりやすい。押し込めるサウンドも前に出すサウンドも幅広く出せる。
Scheps Parallel Particles
4種類のノブでサウンドデザインができるプラグイン。公式ページに「4種類のうまみ引き出しプラグイン」なんて書かれていたけど、実に的を射た表現だと思う。
サイバーで未来的なUIだが、かかり方は自然。AIRとSUBはハイエンドとローエンドで分かりやすいのだが、BITEとTHICKはよくわからない不思議な処理をしている感じ。おそらくEQやコンプレッション、トランジェントシェイピングによって複合的な効果を出しているような感じ?効果は不思議だが出てくるサウンドは使いやすい変化なので、音作りに集中できる。ただし、動作が重く、気軽に使えない場面があるかもしれない。
Reason Studios EUROPAレビュー
Reason Studios(旧Propellerhead)のEUROPAのレビューです。
Reason内のデバイスとしてだけでなく、VST、AU版もあります。
概要
オシレーター、マスターフィルター、エンベロープ、LFOなどのシンセの基本的な部分は押さえつつ、オシレーターごとに設定できるスペクトラルフィルター、ユニゾン、6種類のエフェクト、自由に接続できるモジュレーションなど、現代的な音作りに対応できるソフトシンセです。
UIを見てもすぐにわかるように、オシレーターの波形やフィルターにモジュレーションがいつでもダイレクトにルーティングされており、派手な変化をする音を簡単に作れます。
特徴
最も特徴的だと思ったのはUIの中央左にある「USER WAVE」の部分ですね。ここで自分で用意した音声ファイルを読み込むことができ、読み込んだ音声波形はオシレーター選択プルダウンに表示されるようになります。あまり詳しい仕様はわからないのですが、通常のグラニュラーシンセシスと比べ、使いやすい音色になる気がします。クラップなどの音程を感じにくい波形でも使いやすいPluck系の音色を作ることができました。
また、エンベロープの形を波形として選択してモーフィングできるなど、他のシンセであまり見ないようなユニークな機能があります。
4つのエンベロープが最高に使いやすくていいですね(アンプエンベロープは独立しているので4つをフルに音作りに使えます)。僕はループエンベロープで作る音色がとても好きなのですが、エンベロープのプリセットが豊富なので、いろいろ試してみたくなります。
アンプエンベロープはADSRのスライダーを動かす方式ですが、4つのエンベロープは画面を触ってエンベロープを設定します。そのため初心者の方でも理解しやすいと思われます。
その他面白いと思った仕様は、ユニゾンが各オシレーターごとに設定できる点ですね。大抵のソフトシンセではまとまってユニゾンがかかるので、広がりのある音色を作ると輪郭がぼやけることがあります。しかし、EUROPAの場合だとユニゾンをかけない「芯」となる波形を作っておけば音の輪郭がぼやけずに済みます。
ThorなどのReason付属のシンセと上手く住み分けをした、ありそうでなかったシンセサイザーに仕上がっていると思いました。音作りがとてもしやすいので、音作りに挑戦したいという方にもおすすめできます。
コードに関する知識をゼロから身につけられる講座
YouTubeにて、コード進行、コード理論、音楽理論に関する知識を学べる講座シリーズ「誰でも分かるコード進行講座」を配信しております。
全講座リストはこちらから↓
https://www.youtube.com/playlist?list=PLeHRa-xAEiYRpSdsxpdmr9SQqEw5jw-jX
ただコード進行を紹介するのではなく、自分でコード進行を考えたり、既存曲の分析が自分でできるようになることを目的にしています。ぜひよろしくお願いします。
reFX Nexus2でお気に入り機能を使う方法
reFX Nexus使い倒していますかー!?即戦力の音色が豊富に入っているため、限られた時間で発注に応えなくてはいけないときに重宝している音源です。
とても便利なNexusですが、これだけ使いやすいプリセットがたくさん入っているのにお気に入り機能がないのが最大の弱点でした。しかしNexusでもお気に入り機能を使用する方法が発見されましたので紹介します。少し手間はかかりますが、一度やっておけば大幅な作業時間短縮が期待できます。
プリセットフォルダの確認
実はNexusを起動したときに画面に表示されるプリセットはブラウザ上で管理することができます。まずはNexusをインストールしたフォルダを開きます。私の場合はDドライブに音源を入れていますが、インストール時の設定によって変わるので各自のインストール先を開いてください。
「Preset」というフォルダを開くと、Nexusに表示されているカテゴリがそのままフォルダ名になっていることがわかると思います。
お気に入りフォルダを追加
「Preset」フォルダには、自由にフォルダを追加することができます。今回は「01_Favorite_Bass」というフォルダを新しく作りました。フォルダ名はABC順に表示されるため、カテゴリのトップに表示したい場合は数字をフォルダ名の頭につけるといいです。
他のフォルダからプリセットデータをコピー
「Preset」内の各フォルダには、下のようにプリセットデータが入っています。
これらの中でお気に入り表示させたいものを選び、今回作成したフォルダの中にコピーします。プリセットデータはコンテンツの場所を保存しているだけですので、コピーしたり場所を変更しても正常に読み込むことができます。
今回は、下の5つのプリセットをコピーしてみました。
起動し確認する
Nexusを開くと(プリセットをコピーする前にNexusを開いていた場合は再起動してください)、無事に自作フォルダが表示されていることがわかります。
もちろん音色も正常に読み込むことができます。応用すれば「Bass」のフォルダの中にエキスパンションのプリセットを入れたり、不要なプリセットを削除することも可能です。上手く使いこなして作業しやすい環境を作りましょう!
Dave Smith Instruments Prophet12 レビュー
Dave Smith Instrumentsのシンセサイザー、Prophet12を約2年半使ったユーザーのレビューです。
概要
Prophet12(以下P12)を導入したのは2016年3月ごろだったと思います。以前から欲しかった機種なのですが、値上がりしそうだという噂があり、購入した覚えがあります(噂の通りその後値上げしました)。
P12はその名の通り、12音ポリのデジタル・アナログハイブリッドシンセです。6音までを1つのレイヤーに割り振り、2レイヤーを使用した音色を作れます。また、モノフォニックで演奏する場合のみ12音までのユニゾンが可能です。3ユニゾン×4和音や4ユニゾン×3和音といった柔軟なユニゾン設定ができると良かったですね。オシレーターが4つ使用できるので、ユニゾンデチューン効果が出来ないわけではありません。
深夜のテンションで撮ったProphet12の自作パッチ紹介。こんなにいろいろな音が作れて本当に楽しいシンセですね。作ってるジャンル的にストレートな音色が多いです pic.twitter.com/AcLc1NjS8z
— OzaShin@ウザメイドOP (@oza_shin) July 7, 2016
「雨と鳥籠」冒頭のポコポコしたシンセや歪んだフルートのような音など、前半はほとんどP12で制作しています。雨の降っている霧の森のような神秘的な感じにしたいと思い、この音色を制作しました。
Prophet12の良い点
とにかく自由度の高い音作りができます。現代のシンセサイザーとして考えられることはほとんど可能だと思います。
オシレーターはVAの基本波形以外に、簡易的ではありますがモーフィングが可能なウェーブテーブルも搭載しており、幅広い音色に対応します。波形の微調整や、シンセではやや珍しいAM(振幅変調)、アップデートによって4オペレーターまで可能なリニアFMにも対応し、更に自由度が高くなりました。デジタルオシレーターやノイズでFMをかけることも可能です。ノイズで変調させると独特なざらつきのある質感になります。FMのアルゴリズムは、モジュレーションマトリクスを使用してオシレーターの変調先を指定すれば、直列以外の並び方も可能です。オシレーター(オペレーター)で自分自身を変調させれば、フィードバックも可能。
オシレーターからの流れは公式ページに掲載されている図が分かりやすいと思います。以下、公式ページからの引用画像です。
オシレーター部で作り込んだ音はミックスされた後キャラクターセクションに入ります。AirやGirthはEQ的、Deci、Hackはクラッシュ系、Driveはサチュレーション的にはたらきます。Deci、Hackは連続的な変化ではなく、実質4〜5段階の変化なのが少し残念ですが、音質は気持ちいい感じに設計されています。特に使えるのはDriveとGirthで、Driveは倍音が増え分厚くなるようなかかり方、Girthはデジタルオシレーターの細さを補うことができます。
フィルターはアナログフィルターで、良くも悪くもProphetのフィルターといった感じです。雑味がないといいますか、滑らかで歪み感のない、音色が破綻しないとてもクリアで素直なフィルターだなあと感じています。キャラクターセクションが汚し・歪み系のものが多いので、クリアな音質のフィルターとの相性はとてもいいと思います。
フィルターの後はアンプセクションを通り、OUT、フィードバック、ディレイに分岐されます。 フィードバックはピッチチューンが可能なタイプで、音を飽和させるだけでなく、音を一瞬裏返したり金属的な質感を付加することなども可能です。フィードバックセクションは予測しづらいですが、上手く使用すれば他のシンセでは絶対に出せないキャラクターのサウンドに仕上げることができます。フィードバックにエンベロープの変調をかけたところ、ティンパニのようなサウンドまで作れました。
Prophet12でティンパニっぽい音が出来た なかなか他のシンセだとこの音を単体で作れるやつはないと思う pic.twitter.com/sHI8WjR0T7
— OzaShin@ウザメイドOP (@oza_shin) January 16, 2017
フィードバックの後ろにはディレイが4つあります。なぜ4つもディレイがあるのか初めは疑問でしたが、少し使えばその理由はすぐ分かりました。ディレイタイムをLFOで変調すればコーラス・フランジャーとしても使え、複数のディレイを使用すればリバーブが作り出せます。
オシレーター、キャラクター、フィルター、フィードバック、ディレイなどの各パラメーターは、全て4つのLFO、フィルターENV、アンプENV、2つの独立したモジュレーションENV、モジュレーションホイール、アフタータッチ、2つのリボンコントローラーの位置と圧力などで、柔軟に変調できます。発表当初にデイヴ・スミス氏が「自身のシンセサイザーで最も面白い機種」と評していたのも、このモジュレーションの多彩さが大きいと思います。オシレーターがデジタルとはいえ、ここまで自由度を高めたモジュレーションが可能なのは驚異的です。変調の設定方法も簡単で、Assign Mod SourceやAssign Mod Destinationを押しながら変調ソース、変調先を触ることで自動的にアサインされます。考えたアイデアはほとんど形にできるので、長く使っていても全然飽きないシンセとなっています。
Prophet12の改善してほしい点
最も惜しいなと感じている点は、キャラクターセクションの位置です。フィルターの前段ではなく、フィルターの後段にいてくれたほうが良かったなあと感じています。フィルターの後ろにDeciのクラッシュが入っていれば、更に崩壊したようなサウンドが作れると思いますし、フィルターで整えた音質をAirやGirthで調整するほうが音作りはやりやすかったように思います(一応補足すると、フィルターの後ろにもOver Driveという歪みがありますが、こちらはクラッシュ系の歪みではなく温かみのある歪みエフェクトなので、高音の抜けが落ちてしまいます)。
高音域に倍音を多く持つ音色(FMで作ったベルなど)で、シュワーンという強い折り返しノイズが発生します。そのため、ウェーブテーブルを使用したアグレッシヴなサウンドは、全体的にザクザクしたような質感になりやすいです。僕はこのノイズはP12の味のようなものと納得していますが、他の方のレビューを読む限り、気になっている方が多いようです。たしかに、ノイズが入らないバージョンの音も聴いてみたくなることはあります。
また、Pro2のオーディオインがProphet12にも欲しかったです。外部の音をProphetのフィルターで動かしてみたかったですね。外部のシンセとMIDIで繋いで、オーディオインで重ねる、といった面白いこともできたはずです。
総評
オシレーターの設定やキャラクターセクション、モジュレーションの自由度の高さなど、多彩な音作りができますが、ざっくりしている部分はすごくざっくりしているので、しばらく使っていると「P12らしさ」のようなものをしっかり感じられると思います。シンセサイザーを理解している方であれば、様々なアイデアを試して新しい音色を見つけ出せるシンセサイザーです。値段は高くなってしまいましたが、末永く付き合えるシンセサイザーだと思います。